ボランティアはじめの一歩

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「初めて」でも大丈夫! 地域の伝統を支えるボランティアで、高校生がやりがいを感じた夏

掲載日:2026.09.11

「ボランティアをしてみたいけど、初めてでちょっと不安」——そう感じている方は、まずは住んでいる地域に根差した活動から一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

東京都大田区で毎年開催されている「馬込大盆踊り大会」。地域の伝統的なイベントをボランティアで支える馬込三本松町会の金本さんと高校生たちに話を聞きました。

笑顔と活気があふれる現場! ボランティア活動をレポート

2026年7月18日の午後2時、お祭り開始の2時間前に、お揃いのスタッフTシャツを着たボランティアたちが大田区立貝塚中学校に続々と集まってきました。

今年31回目を迎える馬込大盆踊り大会には、地域内外から約90名の高校生ボランティアスタッフが集まりました。また、約100名の小学生も授業の一環でボランティアとして参加。会場設営や受付補助、来場者案内、会場美化など、さまざまな役割を分担して行いました。

お祭りが始まると、会場はすぐに多くの来場者で熱気に包まれました。来場者へのうちわ配布、ドリンク作りなど、ボランティアの活動は多岐にわたります。

今回初めて参加した高校生の瀬尾さんは、うちわ配布やドリンク提供を担当。「予想以上の来場者数に驚きました。お祭りのボランティアは初めてでしたが、慣れると徐々にスムーズにこなせるようになりました」と振り返ります。

一番印象に残ったのは地域の人々との交流だったようで「来場された方からの『ありがとう』という言葉が一番嬉しかったです。小さな子どもたちが話しかけてくれたのも楽しい経験でした。感謝されたことが、次も頑張ろうというモチベーションになります」と笑顔で語ってくれました。

また、三浦さんと中沢さんは、物品の販売や、小学生ボランティアのサポートを行いました。

三浦さんは「友人から『ボランティアが足りてないから来てほしい』と連絡が来たのがきっかけです。最初はちゃんと役割を果たせるか不安でしたが、町会の方が優しく教えてくれたので、だんだん慣れていって楽しめるようになりました」とのこと。

中沢さんは「地域の方の笑顔を見て『やってよかったな』と感じた」と話してくれました。

この祭りに幼い頃から毎年家族で訪れてきた中村さんは「小さい頃から毎年来ていたこのお祭りで、今度はボランティアとして役に立てることにワクワクしました」と参加への思いを話してくれました。また、活動を通して「別の高校に通う初対面の子と色々と質問し合ったりする中で、次第に仲良くなれました」と新しいつながりを持てたことを喜んでいました。

友人に誘われて参加したという原さんは「参加前は、ずっと活動に専念するものだと思っていました」と打ち明けてくれましたが、実際には来場者へのうちわ配布や、会場内のなぞなぞコーナーでハンコを押す係を担当し、地域の子どもたちとの交流を楽しんだといいます。「うちわをすべて配り終えたときにはとても達成感がありました。なぞなぞがわからない子どもたちにヒントを言ってあげたり、一緒に解いたりして、とても楽しかったです」。

参加した高校生たちは、初対面のメンバーとも徐々に打ち解け、協力しながら生き生きと活動していました。ボランティア活動は決して特別なスキルが必要なものではなく、身近で、誰でも楽しみながら参加できるものだと、彼らの姿が教えてくれます。

子どもたちは大人が思う以上に、地域に関わりたがっている

馬込三本松町会の副会長を務める金本さんは、この盆踊りに中高生ボランティアを積極的に迎え入れてきた立役者です。背景にあるのは、地域が抱えるある課題でした。

「町会役員の多くが80代以上と高齢化し、若い世代との接点が少なくなっています。一方で、高校生は学業や部活以外の経験を求めているのに、適切なボランティアを見つけにくいという声を聞きます。ニーズはあるのに、つながれていないんです」と語ります。

そこで金本さんが活用したのが、子ども同士のネットワーク。自身の娘から友人へ声をかけるなど、子どもを介した口コミで参加者を集めてきました。近隣の高校へのボランティア協力依頼も2年前から始め、今年は高校生の参加が昨年の倍に増えたといいます。

今回は新たに、東京ボランティアレガシーネットワークを通じた募集も行い、より多くの中高生が参加できるよう間口を広げています。

「高校生たちは大人が想像する以上に地域活動への参加を望んでいます。」と金本さんはいいます。

「高校生は学業や部活以外の経験を求めているのに、参加できるボランティアを見つけにくいという声もあります。『子どもだから』という思い込みで機会が提供されないことが多いですが、実際に声をかけると部活の合間を縫って来てくれる。現場でも自分で考えて動いてくれるので、安心して任せることができるんです。」

今回話を聞いた高校生からも、友人からの誘いや学校での案内をきっかけに参加したという声を多く聞きました。ボランティア参加の呼びかけが届けば、地域行事を一緒に盛り上げたいと考える中高生は多数いることがわかりました。

初めてでも安心して参加できる仕組み

馬込三本松町会では、ボランティアに初めて参加する中高生が不安に感じないための配慮も心がけているといいます。ボランティアが少人数の班に分けられ、経験者や運営スタッフが一緒に活動する体制がとられているのもその一つ。

「何をしたらよいのか分からないまま一人にさせないことや、分からないことを気軽に聞ける雰囲気をつくることを心がけています。」と金本さんは語ります。また「最初から完璧にできることは求めていません。」ともいいます。

運営スタッフからボランティアまで、お祭りを支える全員にお揃いのTシャツを用意したことについて「年齢や立場にかかわらず、全員が行事を一緒につくる仲間だと感じてほしい」と思いを語りました。

「ボランティアを『不足している人手』として扱うのではなく、最後にはきちんと感謝を伝えることも大切にしています」

最後に、一歩を踏み出せないでいる中高生へのメッセージを金本さんに聞きました。

「『特別な経験や知識が必要なのでは』『継続して参加しなければならないのでは』と構えてしまう方もいると思います。しかし、最初のきっかけは『お祭りが好き』『友だちと参加してみたい』といった理由でまったく問題ありません。まずは興味を持った活動に一日参加してみてください。」

世代を超えてつながる場をつくり続ける、馬込三本松町会

馬込三本松町会は、東京都大田区の中馬込・北馬込・東馬込エリアにある町会です。地域の安全を守る防犯・防災活動や環境美化活動、住民同士の親睦を深める行事を企画・運営しています。

中でも「馬込大盆踊り大会」は地域の一大イベントとして親しまれ、今回で31回目を迎えました。近年は地元の小中高生や大学生など若い世代を積極的に運営に巻き込み、世代を超えた交流の場を生み出しています。町会役員の高齢化という課題を抱えながらも、学校や子ども同士のネットワークを通じて新しいボランティアの形を模索し続ける、活気あふれる町会です。

あなたも「はじめの一歩」を踏み出してみませんか?

ボランティアに参加した高校生たちからは「ボランティア活動と聞くと、みんな真面目に黙々と活動しているものだと思っていましたが、実際に参加してみたら、明るくて地域との交流を深めることのできる素晴らしいものだと気づきました」といった声があり、「とても楽しかったので、他のボランティアにも参加してみたい」といった今後への意欲も話してくれました。

最初の一歩を踏み出したことで、ボランティア活動の楽しさや、地域とつながる喜びを感じられたようです。

中には「ボランティア募集をしていること自体を知らなかったりするので、地域内の高校に大々的に周知したり、授業の一環として学生たちがボランティアを体験するのも良いと思います」といったボランティア活動を活発化するための意見もありました。

馬込三本松町会のように、初心者や中高生の参加を待っているボランティア活動はたくさんあります。特別なスキルがなくても、友だちと一緒でも大丈夫。あなたも、自分の興味のある分野や、身近な地域での活動から参加してみませんか?

今回紹介した馬込大盆踊り大会では、参加者に「ボランティア活動証明書」が発行されています。各地域や団体によって異なる証明書を集めてみることも、参加する楽しみになることでしょう。

中学生・高校生が参加できるボランティアの情報は、以下のページからも探すことができますので、ぜひはじめの一歩を踏み出してみてください。