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「いのちの電話」志の結晶 故斎藤友紀雄さんの蔵書を南山大に

2026.10.07
 「いのちの電話」の創設メンバー、故・斎藤友紀雄さんの蔵書の一部が、南山大学社会倫理研究所(名古屋市昭和区)に寄贈された。この蔵書は海外の自殺対策の研究書で、自由に閲覧できるという。
 斎藤さんは東京都出身の牧師。日米の大学で神学や臨床心理学を学び、1971年のいのちの電話創設にかかわった。英国発祥のボランティア電話相談の仕組みを持ち込んだもので、大きな反響があり、今では全国に5千人を超す相談員がいる。斎藤さんは日本自殺予防学会の理事長も務めた。2025年2月に88歳で死去した。
 蔵書は死後、別の研究者のもとに預けられたが、自殺対策を研究する南山大の森山花鈴准教授が橋渡しし、一般利用しやすいよう南山大社会倫理研究所に寄贈された。144冊あり、すべて洋書だという。子どもや若者の自殺、電話カウンセリングの研究書、1950年代の本もある。
 9月15日にあった講演会は約50人が参加。張賢徳・日本自殺予防学会理事長、堀井茂男・日本いのちの電話連盟理事長が講演した。自殺対策が社会的に注目される以前、学会の名称から「予防」を外し、中立的に研究しようという意見が出た際、斎藤さんが「自殺は精神の病理。予防の理念を大事にしたい」などと主張したという。穏やかな人柄ながら信念の実践家だった斎藤さんの横顔が披露された。(エリアリポーター・伊藤智章)