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日光杉並木、2031年ごろから植樹へ 枯れや倒木が問題に 栃木

2026.10.05
 枯れや倒木が問題になっている日光杉並木(栃木県日光市)について、新たな杉の苗木を植える計画の概要が明らかになった。来年度から5年かけて苗木を育て、2031年ごろから植樹を始める予定だ。
 杉並木を所有する日光東照宮、地元の日光市などに対し、県が示した計画案によると、植樹する杉は現在の杉並木と同系統の苗木。挿し木により2年間育てた苗を、県林業センターで3年ほどかけて高さ1.5メートルになるまで育てる。
 毎年48本を育て、うち病虫害などに遭わなかった10本程度を毎年植樹していく。育成期間中は、日光杉並木保護財団やボランティアの「杉の並木守」が管理や環境整備にかかわることを検討している。
 杉の種類は、花粉症患者の増加などの問題から、花粉が少ない品種にすることも検討されたが、杉並木の歴史的な経緯を踏まえて、現在生息している杉と遺伝的に同じものにしたという。
 課題となっているのは、具体的な植樹場所。現存する杉並木は1万2千本強で、1960年代と比較して3割ほどが枯れたり、倒れたりしてなくなっている。
 ただ、枯倒木が出たほとんどの場所は「両脇に大木があり、その枝で日照が遮られている。そこに新たな苗木を植えても十分に育たない恐れが強い」(日光東照宮林務課)という。
 日光杉並木は国から「特別史跡」と「特別天然記念物」の二重指定を受けているため、県は今後、文化庁と計画について協議を進める。その結果を受け、年度内から植樹場所の選定などを目的にした現地調査を始める。
 日光杉並木は1625年に植樹が始まり、その後、日光東照宮に寄進された。総延長は37キロで「世界一長い並木道」としてギネス世界記録に認定されている。
 現在の杉並木は、所有は日光東照宮、管理と土地の所有は県となっているが、倒木による事故が発生した際の責任の所在といった問題から、新たに植える杉の木は所有・管理とも県に変更される。
 日光東照宮の稲葉尚正・権宮司は「植樹400年となる昨年からスタートさせたかったが、ようやく計画がまとまりほっとしている。杉並木を守り継いでいくためにも、行政機関が一緒に役割を担っていただけるようになり感謝している」と話す。(重政紀元)