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川崎市民の今を伝え続け44年 情報紙「ナンバーゼロ」4月に最終号 配布難しく、今後はネットで発信へ

2026.02.12
 かわさき市民活動センターが川崎市内で配布している情報紙「ナンバーゼロ」が4月、317号となる「2026年春号」で終了し、創刊から44年の歴史に幕を下ろす。時代の変化などで紙媒体から情報を得る人が減ったことなどが理由という。今後は交流サイト(SNS)などオンラインでの情報発信に軸足を移す。(吉田拓海)

 「自分が産んだ子どものよう」。同紙の取材や編集に長らく携わってきたセンター職員の人見雅子さん(65)は、終了を惜しむ。最盛期の07年には、毎月5万部を発行し、町内会を通じて隔月で全戸配布していた。市内ボランティア団体の活動や、イベント情報などを伝えてきたが、直近は年4回各1万部を発行するにとどまっていた。

 ゼロから始まり「市民に役立ち、大きく広がることを願って」名付けられた。1982年10月発行の第1号では、国鉄川崎駅(当時)で進む東口広場地下街工事の様子を伝えている。2011年6月の195号では、東日本大震災に関連した記事を掲載。福島第1原発事故でとどろきアリーナ(同市中原区)に開設された避難所に身を寄せた88人の様子や、発災時に市内ボランティア団体がいち早く被災地に駆けつけたことなどを報じた。

 対面でのボランティア活動が難しくなった新型コロナ禍では、普及しつつあったオンライン会議の方法や機材について紹介するなど、常に市民活動という切り口から世相を伝えてきた。

 ただ、配布方法の変更が廃刊の遠因となった。配布を担っていた町内会の担い手不足を背景に、市内公共施設で自由に持ち帰ってもらう方式に改めたが、市民の目に入る機会が減った。

 人見さんは「手に取ってもらえるように題字の色やレイアウトを工夫し、中身も読み物中心に改めたが」と、悔しさをにじませる。

 節目となる最終号は、これまでの歴史を年表で振り返る内容となる見込み。同じく編集などに携わるセンター職員の佐藤紀子さん(47)は「市民活動は楽しくカジュアル化している。今後、SNSでの発信など伝える方法が変わっても、市民の今をおもしろく伝えていきたい」と話す。