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光秀が築いた幻の城 坂本城の石垣が姿を現す 琵琶湖の水位低下で
2025.12.19
明智光秀が築いた「幻の城」、坂本城(大津市)の本丸の石垣とみられる遺構が姿を現している。ふだんは琵琶湖の中にあるが、秋ごろから雨が少なく、湖の水位が下がったためだ。ひと目見ようと多くの人が訪れているが、水位低下による影響は大きく、複雑な気持ちを抱く人もいる。
坂本城は、1571年に比叡山を焼き打ちした織田信長が光秀に築城させた。本丸が琵琶湖に突き出た水城で、二の丸、三の丸からなっていたとされる。1979年度に本丸地点、2023年度に三の丸地点の発掘調査があった。遺構は今年9月、国史跡に指定された。
本丸の石垣とみられる遺構は「湖中石垣」と呼ばれる。直近では23~24年、琵琶湖の水位が下がったときに姿を現した。
■波打ち際に並ぶ大小の石
記者も12月16日に訪ねた。水位はマイナス71センチ。波打ち際に並ぶ大小の石を確認できた。
地域住民でつくる「坂本城を考える会」の男性(81)が案内してくれた。見物に来た人に声をかけ、ボランティアでガイドしているという。
男性は「(湖中石垣は出ていなかったが)今年の正月には北海道から来た人もいた。坂本城に興味がある人は湖中石垣が出たら来るし、出るのを待っている人もいる」と話す。
記者のすぐあとに市内の女性がやって来た。湖中石垣を見るのは初めてで「ようやく見られました」と喜んでいた。ただ、「これ以上水位が下がるとまずい」と心配していた。
日本一の広さを誇るだけあって、琵琶湖の水位低下は広範囲に影響を及ぼす。港湾施設では高低差が大きくなり、船の航行にも障害が出ている。乗船人員を制限している水郷めぐりの観光船もあり、漁業への支障もきたしている。県は水位低下連絡調整会議を設け、警戒を強めている。
■「あまりに下がるのは困る」
考える会の事務局長の山本正史さん(84)は「琵琶湖にお世話になっている身としては、水位があまりに下がってしまうのは困る」と話す。
一方、山本さんは坂本城の国史跡指定などを「明智光秀が残してくれたプレゼント」と表現する。姿を現している湖中石垣に、市文化財保護課の担当者は「大切な文化財なので触らないようにしてほしい」と呼びかけている。(仲程雄平)
坂本城は、1571年に比叡山を焼き打ちした織田信長が光秀に築城させた。本丸が琵琶湖に突き出た水城で、二の丸、三の丸からなっていたとされる。1979年度に本丸地点、2023年度に三の丸地点の発掘調査があった。遺構は今年9月、国史跡に指定された。
本丸の石垣とみられる遺構は「湖中石垣」と呼ばれる。直近では23~24年、琵琶湖の水位が下がったときに姿を現した。
■波打ち際に並ぶ大小の石
記者も12月16日に訪ねた。水位はマイナス71センチ。波打ち際に並ぶ大小の石を確認できた。
地域住民でつくる「坂本城を考える会」の男性(81)が案内してくれた。見物に来た人に声をかけ、ボランティアでガイドしているという。
男性は「(湖中石垣は出ていなかったが)今年の正月には北海道から来た人もいた。坂本城に興味がある人は湖中石垣が出たら来るし、出るのを待っている人もいる」と話す。
記者のすぐあとに市内の女性がやって来た。湖中石垣を見るのは初めてで「ようやく見られました」と喜んでいた。ただ、「これ以上水位が下がるとまずい」と心配していた。
日本一の広さを誇るだけあって、琵琶湖の水位低下は広範囲に影響を及ぼす。港湾施設では高低差が大きくなり、船の航行にも障害が出ている。乗船人員を制限している水郷めぐりの観光船もあり、漁業への支障もきたしている。県は水位低下連絡調整会議を設け、警戒を強めている。
■「あまりに下がるのは困る」
考える会の事務局長の山本正史さん(84)は「琵琶湖にお世話になっている身としては、水位があまりに下がってしまうのは困る」と話す。
一方、山本さんは坂本城の国史跡指定などを「明智光秀が残してくれたプレゼント」と表現する。姿を現している湖中石垣に、市文化財保護課の担当者は「大切な文化財なので触らないようにしてほしい」と呼びかけている。(仲程雄平)