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SNSによる子どもへの性暴力防げ 三重県警が大学生と啓発動画作製

2025.11.04
 SNSを悪用した性暴力から子どもたちを守ろうと、三重県警が初めて啓発動画を作った。県警の大学生ボランティア「若樫サポーター」のメンバーが手がけた動画は、県内のショッピングモールやカラオケ店などで放映されている。
 少年課によると、全国的に子どもたちのSNSが悪用されるケースが目立っているという。例えば、SNSにアップされている子どもの写真をAI(人工知能)で加工して性的な内容にすり替えたり、友人を装ったメッセージをSNSに送って誘い出したりする事例が相次いでいる。
 同課の荒川直彦次長は「被害に遭った子どもたちが(脅されるなどして)匿名・流動型犯罪グループに加えられ、強盗事件の加害者になることもある」と警鐘を鳴らす。そこで同課は、SNSに関する知識があり、子どもたちと年齢的に近い大学生に動画の作製を依頼することにした。
 動画は音声入りの30秒バージョンと、音声のない15秒バージョンの2種類。SNSを悪用した性暴力の手口や、SNSが犯罪に使われる場面などを分かりやすいイラストで紹介している。
 イラストの原画は皇学館大学文学部4年の宮下まりなさんと、同大現代日本社会学部3年の堀口実紗さんが担当した。宮下さんは「ネットの使い方を見直すとともに、悪意を見抜けるようになってほしい」と話し、堀口さんは「同世代のみなさんが犯罪に遭わないよう、強く注意を呼びかけたい」と訴える。
 12月1日以降は、子どもたちが学校から貸与されているタブレットにも動画を送信する予定。来年1月以降は幹線道路沿いのビジョン広告でも放映される。荒川次長は「何かあった場合、まずは周囲や警察に相談してほしい。同世代の学生が手がけた動画が、防犯意識を高めるきっかけになればよいと思う」と話している。(安田琢典)