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「一緒にできたのが良かった」得意の英語生かし支えたアジアパラ大会

2026.10.23
 愛知・名古屋アジアパラ競技大会を運営するボランティアには、障害のある人も参加している。それぞれの経験や得意分野を生かしながら、大会を支える側に立つ。
 佐々木克己さん(62)もその1人だ。開幕翌日の19日、ボッチャの競技会場となった名古屋市総合体育館(南区)の前で、会場を後にする観客に「ありがとうございました」と声を掛け、他のボランティアと手を振って見送った。
 電動車いすを使う佐々木さんは、高校時代をオーストラリアで過ごし、米国への留学経験もある。勤め先が主催するマラソンでは30年近く、韓国やタイなど海外から招いた参加者の通訳やガイドを務めてきた。その経験を生かしたいと応募し、大会ではイランから訪れた関係者に道を訪ねられた。「自分ができることを当たり前にやれて良かった」
 うれしかったのは、一緒に活動する仲間が車いすを使う自分を特別扱いしなかったこと。「案内などを、健常者の人と同じように交じってできたことが良かった」と話す。
 一方、活動する中で気づいたこともある。多目的トイレへ向かう途中にはケーブルプロテクターがいくつもあり、越えるたびに車いすが激しく跳ね、危険を感じた。食事場所へ向かう際も、他のボランティアとは別の動線だった。
 設備上、対応が難しい場合があることは理解している。ただ、障害のある人もない人も、一緒に行動できることが理想だと感じている。「細かいことって思われるかもしれないけど、それが当たり前に地域で暮らすということ」
 30年ほど前、居酒屋で酒を飲んでいると「車いすの人もお酒を飲めるんですね」と声を掛けられたことがあった。バスに乗ることができず、地下鉄も全駅にエレベーターがあるわけではなかった。かつては当たり前ではなかった時代があって、今に至っていると感じる。
 「障害のある人も世の中にいるんだなとわかってもらえれば、それでいい。そこが一番の原点になる」。佐々木さんの大会への願いだ。(吉村美耶)