体験談

アジア大会 馬事公苑

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ボランティア
掲載日 2026.10.06

ミキマルGT

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  • 活動地域
    • 世田谷区
  • 活動分野
    • スポーツ

アジア大会の馬事公苑でのボランティア活動は、私にとって忘れがたい一日となった。今回私が担当したのは「通用口でのチェック」と「アクレディテーションカードの確認業務」。大会運営の安全と秩序を守るための重要な役割であり、関係者が適切に入場できるようにするための“認証の要”ともいえる場所だ。

朝の配置についた瞬間から、場の空気には独特の緊張感が漂っていた。馬事公苑は広く、競技関係者、スタッフ、報道、馬術チーム、そして観客など、多様な人々がそれぞれ異なる動線で動く。その中で通用口は、関係者が必ず通るポイントであり、誤って一般の方が入ってしまうことを防ぐためにも、チェック業務の正確さが求められる。

私の役割は、まずは笑顔で挨拶しながら来場者を迎え、アクレディテーションカードを確認し、通用口を通過できる方かどうかを判断すること。大会の入口に立つ者として、最初に接する存在になるからこそ、丁寧な対応を心がけた。

「おはようございます」「アクレディテーションの確認をお願いします」「どうぞお気をつけて」。
同じ言葉を繰り返しながらも、一人ひとりに気持ちを込めて声をかける。笑顔を忘れないことは、私がこれまでのボランティア活動で大切にしてきた軸だ。どれだけ緊張する場面でも、まずは自分が穏やかであること。それが相手の安心につながる。

午前中は比較的落ち着いていたが、競技開始が近づくにつれ、通用口を通る人の数が一気に増えた。スタッフ、選手、報道関係者、馬術チームのサポートメンバーなど、さまざまな立場の方々が行き交う。アクレディテーションカードの色や区分を瞬時に判断し、通過可能かどうかを見極める。集中力が途切れれば、誤った通行を許してしまう可能性もある。気を抜けない時間が続いた。

そんな中、場の空気が一変する瞬間が訪れた。
通用口の横を、静かに車列が近づいてきた。周囲のスタッフがわずかに動きを整え、警備担当者が位置を確認し直す。ほどなくして、天皇皇后両陛下、そして愛子様がお車でお通りになった。馬術競技をご視察されるためのご来場だ。

その瞬間、胸の奥が熱くなる。
「この場に立っていてよかった」
そう思った。国際大会のボランティアとして活動してきた中でも、皇室の方々をお迎えする場面に立ち会うことは滅多にない。車列が静かに進む中、気品ある佇まいでお通りになる姿は、言葉では言い尽くせないほどの重みがあった。私は深く一礼し、心を込めてお迎えした。

その後も、国会議員、愛知県知事など、要人の方々が次々と通過された。通用口は一時的に緊張のピークを迎えたが、スタッフ同士の連携が見事で、チェック業務も滞りなく進んだ。私自身も、声のトーン、姿勢、目線の配り方など、細かなところまで意識しながら対応した。

午後になると、日差しが強くなり、立ち続ける身体には少しずつ疲労が溜まっていく。それでも、最後まで笑顔を絶やさないことを心がけた。時折、関係者の方から「ありがとう」「助かります」と声をかけていただき、その言葉が疲れを吹き飛ばしてくれた。

夕方、担当時間が終わりに近づく頃、ふと周囲を見渡すと、通用口の前はすっかり落ち着いていた。大きなトラブルもなく、一般の方が誤って入ることもなく、要人の通過も無事に終わった。
「よかった……」
胸の奥から静かに安堵が広がった。緊張の糸がほどけていく感覚は、ボランティアとしての達成感そのものだった。

今回の活動を通じて改めて感じたのは、どんな役割であっても、ボランティアは大会の大切な一部であるということだ。通用口でのチェック業務は、華やかな競技の裏側にある地道な仕事だが、その一つひとつが大会の安全と円滑な運営につながっている。自分の立つ場所が大会全体の一部であることを強く実感した。

そして何より、「挨拶」と「笑顔」の力を再確認した。国際大会では、言語や文化が異なる人々が多く訪れる。そんな中でも、笑顔は共通のコミュニケーションであり、相手に安心を届ける。今回の活動でも、笑顔が場の空気を和らげ、円滑な対応につながったと感じている。

アジアパラ大会が始まる。今回の経験を胸に、これからの活動でも、丁寧に、誠実に、そして笑顔を忘れずに務めていきたい。馬事公苑での一日は、私にとって大きな学びと誇りとなった。

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