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「車の避難先」どう探す? 防災士が訴える教訓と備え 土砂撤去には重機ボランティア奮闘〈千葉豪雨〉

2026.09.01
 千葉豪雨から2週間が過ぎ、被害のあった自治体では災害ごみの撤去が進む。短時間の記録的大雨がもたらす災害への備えはどうしたらいいのか。1日は防災の日。茂原市の防災士石川孝さん(79)は「自宅周辺で浸水するリスクを知り、事前に車の避難先も考えてほしい」と呼びかける。(中山岳)

◆ハザードマップ、マイ・タイムライン…できることは

 石川さんの自宅のある同市南部を流れる一宮川は、過去の大雨でたびたび氾濫してきた。2019年と2023年の大雨では、石川さん宅は床下浸水したり、駐車場の車が水につかり使えなくなったりした。今回の豪雨で一宮川沿いの南部に大きな被害はなかったが、市北部の広範囲で浸水。県によると、同市で8月27日夕までに住宅半壊80棟、床上浸水15棟、床下浸水200棟などを確認した。

 茂原に50年以上暮らし、「県災害対策コーディネーター茂原」副会長も務める石川さんは「各地で急激に水位が上がった今回のような豪雨は、過去に見たことがない」と話す。前例のない災害だったとは言え、今後も豪雨に備えるために、日頃から自治体のハザードマップを確認して自宅のある地域は浸水の恐れがあるかどうか確認してほしいという。

 千葉豪雨では各地の道路で乗用車が浸水し、取り残された車両は少なくとも2700台に上った。石川さんは「今回の教訓は、事前に車の避難先を考えて早めに移動させるのが重要ということだ」と指摘。避難所に指定された公共施設をはじめ、比較的高い土地にある公園、ショッピングセンター、寺院などの各駐車場を候補に挙げる。「災害時に駐車場の提供を自治体に約束している施設もあり、把握すると役立つ」

 早めに車を移動させるのは仕事や家庭の事情で難しい人も多いとしつつ、「今回のような豪雨への備えとして必要だろう」と話す。

 自治体が出す5段階の避難情報に合わせ、家族それぞれが取るべき行動をまとめる「マイ・タイムライン」の作成も推奨。県や千葉市など複数の自治体はホームページで紹介しており、誰でも印刷して作れる。

 豪雨時に自宅が浸水する恐れのある地域の住民には、2階への「垂直避難」の準備も勧める。「避難所へ行ってもいいが、急激に水位が上がれば避難が間に合わない場合もある。1階が浸水した場合に使える簡易トイレや備蓄食料を用意し、2階へ避難を考えてほしい」

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◆行政では難しい私有地の土砂除去…ボランティアが活躍

 豪雨による土砂災害の被災地のうち、行政の対応が難しい私有地の復旧作業に、小型重機を操縦できるボランティアが活躍している。被災者とボランティアの調整を担う「災害支援ネットワークちば(CVOAD)」はこれまで約60件の要請を受け、まだ増える可能性があるという。

 市原市東国吉の樋口保明(やすあき)さん(65)宅の敷地内で31日、ボランティア約20人が土砂を重機で運んだ。8月13日夜、住宅裏の崖が崩れ、敷地に押し寄せた土砂はカーポートや倉庫を押し流して通路をふさいだ。樋口さんが行政に相談したところ、CVOADにつながり、支援を受けられた。「どうしたらいいか分からず、夜も眠れなかった。迅速な作業に感謝している」と話す。

 集まったボランティアは、日本財団などが開く災害時の重機操縦研修を受けている。財団によると、災害現場で重機を安全に使える人は全国的に不足。県内は木更津市で研修が定期的にあり、この日は、講師や受講生の消防士らが参加。他にも山形、群馬、神奈川県からの参加者もいた。

 CVOADは8月19日、大網白里市で私有地の土砂除去を始め、29日から市原市に入った。加納基成代表(61)は「まだニーズは増えると思う。数年単位で被災者を支えたい」と話した。(長屋文太)