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代読、みんな読書楽しく 知的障害者に読書支援を大学教授が呼びかけ

2026.05.23
 知的障害者も読書を楽しめるようにと、びわこ学院大学(滋賀県東近江市)の藤澤和子教授(特別支援教育)が、代読などの支援を呼びかけている。公立図書館などに障害者への合理的配慮の提供を義務づける障害者差別解消法が施行されて10年。知的障害者に対する読書支援の現状は――。
 藤澤さんは「知的障害・自閉症児者のための読書活動を進める会」の代表。講演会や代読ボランティアの養成講座などを大阪府や奈良県などで開いている。わかりやすい文章で記され、写真やイラスト、絵記号を多用した「LLブック」の出版や普及にも取り組む。
 代読の基本は、知的障害者が自ら選んだ本を読むことだという。読み手は相手の特性を理解し、情報や情感が伝わるよう、難しい箇所はわかりやすく言い換えたり説明を加えたりする。
 「知的障害者は読書をあまり好まないと思われがち。だが、本好きな人は思う以上に多い」と藤澤さん。地震など科学の知識を知りたい人もいれば、好きなアイドルの写真集の説明文を読んでほしいという人もいる。
 知的障害者が大人になると、本を読んでもらう機会は減る。だが、代読のサービスをしている図書館は、全国的に数少ないという。
 2016年施行の障害者差別解消法は、国や地方の行政機関、民間事業者のすべてに障害を理由とする差別を禁止している。公立図書館でも実質的に対等に利用できるよう定める。
 読書バリアフリー法は19年、だれもが読書を楽しめる環境を整える目的で施行された。県内でも、県が22年3月に、湖南市が23年3月に読書バリアフリー計画を策定した。
 県立図書館や湖南市立図書館では、録音図書、点字図書、大活字本などを充実させてきた。
 LLブックも採り入れているが、知的障害者への代読は行われていないという。藤澤さんは各地の図書館がもっとLLブックを買いそろえていけば、出版社や書き手を支えることにもつながると期待する。先進地のスウェーデンの図書館では多様なジャンルが数多くそろっているという。
 藤澤さんは、図書館が代読ボランティアの養成講座を開いたり、図書館の巡回バスが福祉施設に寄ったり、施設が知的障害者を図書館に連れていったりして、図書館を利用しやすくするよう連携を進めることも提唱する。「知的障害者への読書支援の機運も高まっている。これからだ」と力を込める。(高田誠)