来年から休養の山下洋輔さん、東京・立川で14回目の慈善コンサート

　年内いっぱいで演奏活動を一時休止するジャズピアニストの山下洋輔さん（83）が、東京都立川市で14回目となるクリスマスチャリティーコンサートに出演した。市内のボランティア団体の活動資金を募るため開催され、約250人がピアノやパーカッションに聴き入った。
　コンサートは12日にあり、立川市のボランティア団体「文化・芸術いきいきネットワーク（CAN）」が主催、市地域文化振興財団が共催した。CANが高齢者施設でアートイベントやオペラを企画するための資金集めと、高齢者施設で働くスタッフを招待する目的で、2010年からコロナ禍などを除き12月に催してきた。
　市内在住の山下さんは、CANの佐藤典子代表（83）が市職員時代に仕事をしたことが縁で、チャリティーコンサートに毎回出演することになったという。
　山下さんは来年から休養に入ることを明らかにしている。この日のステージでは「毎年呼んでいただいてありがたく思っています。どうぞゆっくりとお楽しみください」とあいさつ。曲の説明を交えながら、パーカッションの演奏とともにアンコールを含め約1時間にわたりピアノの音色を響かせ、会場は大きな拍手に包まれた。
　コンサートを終え、佐藤さんは「やさしい愛ある音楽で中断を含め16年間、老人ホームへの文化の活動を支えていただき、本当にありがたい。山下さん次第だが、またできたらやりたい」と語った。（石原剛文）