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伝統の「紙風船上げ」今冬も開催へ 豪雨乗り越え 秋田・仙北市
2025.12.12
【秋田】平賀源内が教えたとも伝わる仙北市伝統の小正月行事「上桧木内(かみひのきない)の紙風船上げ」。夏の豪雨災害の影響で開催が危ぶまれていたが、「苦境の時こそ一丸となろう」と、今冬も開催されることになった。被災地支援への感謝も発信する。
紙風船上げは、銅山の技術指導で秋田を訪れた江戸時代の発明家・平賀源内が、熱気球の原理を応用した遊びとして村人に教えたのが始まり、とも言われている。
武者絵や美人画などを描いた巨大な紙風船を真冬の夜空に舞い上げる幻想的な光景が人気で、毎年、全国から大勢の観光客が訪れる。
ところが、会場となる紙風船広場と紙風船館が今年8月、大雨被害に見舞われた。桧木内川が氾濫(はんらん)して広場には大量の土砂が堆積(たいせき)し、流木も流れ込んだ。同館も床上約70センチまで浸水し、今も休館が続いている。
「さすがに開催は無理かな」と保存委員会会長の阿部明雄さん(67)も肩を落とした。被災した自宅の再建を諦めて地区外に転居した人もいるなど、爪痕は深かった。
それでも、阿部さんたちは「紙風船上げは上桧木内のシンボル。こういうときこそ住民で一致団結しよう」と開催を決断した。担い手の高齢化などで細っていく集落のイベントだが、「地域が親交を深める大切な機会」(阿部さん)になっているという。
保存委員会によると、紙風船広場と紙風船館の早期復旧は難しい状況だ。このため、まずは広場の流木を片づけ、電気とトイレの復旧を進める。広場の土砂は開催までには除去できないため、積雪を踏み固めて来場者が安全に歩けるように整備するという。
紙風船上げは来年2月10日午後3時スタート。八つの集落が願いごとを託して共同制作する紙風船は、例年よりやや少ない約40個が登場予定だ。クライマックスは花火と競演する一斉打ち上げで、同6時から3回行われる。
災害ボランティアたちが支援活動の際にメッセージを書き込んだ和紙で紙風船を作り、被災からの立ち直りを願って打ち上げる計画だ。(阿部浩明)
紙風船上げは、銅山の技術指導で秋田を訪れた江戸時代の発明家・平賀源内が、熱気球の原理を応用した遊びとして村人に教えたのが始まり、とも言われている。
武者絵や美人画などを描いた巨大な紙風船を真冬の夜空に舞い上げる幻想的な光景が人気で、毎年、全国から大勢の観光客が訪れる。
ところが、会場となる紙風船広場と紙風船館が今年8月、大雨被害に見舞われた。桧木内川が氾濫(はんらん)して広場には大量の土砂が堆積(たいせき)し、流木も流れ込んだ。同館も床上約70センチまで浸水し、今も休館が続いている。
「さすがに開催は無理かな」と保存委員会会長の阿部明雄さん(67)も肩を落とした。被災した自宅の再建を諦めて地区外に転居した人もいるなど、爪痕は深かった。
それでも、阿部さんたちは「紙風船上げは上桧木内のシンボル。こういうときこそ住民で一致団結しよう」と開催を決断した。担い手の高齢化などで細っていく集落のイベントだが、「地域が親交を深める大切な機会」(阿部さん)になっているという。
保存委員会によると、紙風船広場と紙風船館の早期復旧は難しい状況だ。このため、まずは広場の流木を片づけ、電気とトイレの復旧を進める。広場の土砂は開催までには除去できないため、積雪を踏み固めて来場者が安全に歩けるように整備するという。
紙風船上げは来年2月10日午後3時スタート。八つの集落が願いごとを託して共同制作する紙風船は、例年よりやや少ない約40個が登場予定だ。クライマックスは花火と競演する一斉打ち上げで、同6時から3回行われる。
災害ボランティアたちが支援活動の際にメッセージを書き込んだ和紙で紙風船を作り、被災からの立ち直りを願って打ち上げる計画だ。(阿部浩明)