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水族館貸し切り、気兼ねなく楽しんで 障がいの子ら招待 秋田・男鹿

2025.09.19
 秋田県男鹿市の男鹿水族館GAOは、障がいや重い病気を抱える子どもとその家族を招待するイベント「ドリームデイ・アット・ジ・アクアリウム」を10月4日に開催する。普段なかなか外出できない子どもたちに、貸し切りにした館内で、気兼ねすることなく思う存分楽しんでもらおうという趣向だ。
 このイベントは、1996年にオランダのロッテルダム動物園が、閉園後の夜間に、小児がんを患う子どもとその家族を招待したことに由来する。同様の取り組みは世界各国の動物園や水族館に広がっているという。
 GAOでは今回が初めての試み。招待するのは身体障害者手帳などを持ち、特別支援学校や特別支援学級に通う18歳以下の子どもたちで、応募した81組324人の親子らが参加する(募集はすでに終了)。
 当日は、通常より早い午後2時にいったん営業を終え、午後3時から6時半までを招待者たちのために貸し切りにする。
 モスクワ動物園から来館して今年で20周年を迎えたホッキョクグマ豪太など、人気の動物を自由に見学できるほか、生き物への餌やりの様子、飼育員による生態の解説なども楽しめる。
 招待者へのサポート態勢を強化するため、この日のために募集したボランティア17人を配置する予定だ。車いすの来館者を介助したり、スタッフの補助に当たったりする。また、食物アレルギーや食事制限がある子どもたちには、持参した食事をレストランで食べられるようにする。
 GAO展示課・広報課の高橋深雪さんは「ハード面ではバリアフリーにはなっていますが、障がい者の人たちには他の入館者に遠慮する気持ちもあるようです。食事も含めて、家族で時間を共有することは大事なこと。いろんなことに気兼ねすることなく楽しんでほしい」と話している。
 初開催にあたり、GAOの職員らが他施設の先進事例を視察し、準備を進めてきた。ボランティアの声や参加者のアンケートなどを参考に、今後の企画を充実させていきたいという。(阿部浩明)