ボランティア関連ニュース(外部記事)
- 医療・福祉・人権
- 環境・動物愛護

患者の心をケアする「DI犬」、医学生の提案で実現 藤田医科大病院
2025.09.18

藤田医科大学病院(愛知県豊明市)は、日本介助犬協会の訓練センター「シンシアの丘」(同県長久手市)と協力し、特別な訓練を受けた犬が、医師の指導のもと患者のストレス軽減や心のケアなど、さまざまなサポートをする動物介在活動を始めた。同大医学部の学生が提案して実現した。
5日午後。病院のこども病棟のプレールームにやってきたのは、「DI犬」のパル(メス6歳)とバディ(オス4歳)と介助犬訓練士。DI(Dog Intervention=犬による介入)犬は、同協会が育成、認定するもので8頭いる。小児科の吉川哲史教授は「病院では楽しくないことが多い。犬と触れ合うことで、少しでもしんどいことを忘れてください」とあいさつした。
まずは犬が鍵を拾ったり、スマートフォンを探したりするデモンストレーションを披露すると、子どもたちから大きな拍手が送られた。
ここからがDI犬としての仕事だ。闘病生活を送る子どもと親のほか、看護師らがパルとバディに近寄ってきて、体を触ったり、記念写真を撮ったりした。「かわいい」「癒やされる」と、自然に表情も明るくなった。
「夢にまで見た光景です」。DI犬と子どもたちとのふれあいを見守っていた同大医学部6年の城内薫乃(ゆきの)さん(25)はうれしそうに話した。
城内さんとDI犬との出会いは3年前。授業で同協会の高柳友子理事長から講義を受けたのがきっかけ。犬好きだった城内さんは、訓練センターへ出向き、募金活動やチャリティーグッズの販売などのボランティアにも積極的に参加するようになった。
一方で「病院勤務犬」を導入している聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)にも見学に訪れた。そこでは勤務犬が手術まで付き添ったり、病室で患者に寄り添ったりして、患者が治療に前向きになれるようサポートする姿を見てきた。
城内さんは、小児科で実習をしている時に「つらい治療を受けている子どもたちを笑顔にできるかもしれない」と、医局のスタッフにDI犬とのふれあいを提案。医師らの理解のもと同協会のDI犬に2度、病院へ来てもらい、医師や看護師らの事前研修を経て、本番を迎えたという。
城内さんは「患者だけでなく、家族や医療従事者も笑顔になり、病棟が笑顔であふれていた。将来、(藤田医科大学病院が)DI犬が活動している病院になるとうれしい」と話す。同病院では今後もDI犬を定期的に受け入れ、患者のリハビリなどに役立てていくという。
高柳理事長は「病院には犬が苦手な人がいるし、感染症対策も大変だが、ニーズはあると思う。DI犬の存在を知ってもらい、社会の意識を変えていければ」と話す。(松永佳伸)
5日午後。病院のこども病棟のプレールームにやってきたのは、「DI犬」のパル(メス6歳)とバディ(オス4歳)と介助犬訓練士。DI(Dog Intervention=犬による介入)犬は、同協会が育成、認定するもので8頭いる。小児科の吉川哲史教授は「病院では楽しくないことが多い。犬と触れ合うことで、少しでもしんどいことを忘れてください」とあいさつした。
まずは犬が鍵を拾ったり、スマートフォンを探したりするデモンストレーションを披露すると、子どもたちから大きな拍手が送られた。
ここからがDI犬としての仕事だ。闘病生活を送る子どもと親のほか、看護師らがパルとバディに近寄ってきて、体を触ったり、記念写真を撮ったりした。「かわいい」「癒やされる」と、自然に表情も明るくなった。
「夢にまで見た光景です」。DI犬と子どもたちとのふれあいを見守っていた同大医学部6年の城内薫乃(ゆきの)さん(25)はうれしそうに話した。
城内さんとDI犬との出会いは3年前。授業で同協会の高柳友子理事長から講義を受けたのがきっかけ。犬好きだった城内さんは、訓練センターへ出向き、募金活動やチャリティーグッズの販売などのボランティアにも積極的に参加するようになった。
一方で「病院勤務犬」を導入している聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)にも見学に訪れた。そこでは勤務犬が手術まで付き添ったり、病室で患者に寄り添ったりして、患者が治療に前向きになれるようサポートする姿を見てきた。
城内さんは、小児科で実習をしている時に「つらい治療を受けている子どもたちを笑顔にできるかもしれない」と、医局のスタッフにDI犬とのふれあいを提案。医師らの理解のもと同協会のDI犬に2度、病院へ来てもらい、医師や看護師らの事前研修を経て、本番を迎えたという。
城内さんは「患者だけでなく、家族や医療従事者も笑顔になり、病棟が笑顔であふれていた。将来、(藤田医科大学病院が)DI犬が活動している病院になるとうれしい」と話す。同病院では今後もDI犬を定期的に受け入れ、患者のリハビリなどに役立てていくという。
高柳理事長は「病院には犬が苦手な人がいるし、感染症対策も大変だが、ニーズはあると思う。DI犬の存在を知ってもらい、社会の意識を変えていければ」と話す。(松永佳伸)