ボランティア関連ニュース(外部記事)

  • 子ども・教育
  • 災害救援・地域安全活動
  • スポーツ

竜巻被災者に届ける直球 榛原・山本投手「良い報告したかった」

2026.07.05
 (第108回全国高校野球選手権静岡大会 静岡大成6―5榛原)
 九回表、土壇場で味方が同点に追いついてくれた。その裏、マウンドに立った榛原の主将、山本健心投手(3年)は気合を入れた。「うれしかった。あとは自分が(投げて)守るだけだ」。先頭に死球を与え犠打も許したが、力のある直球で連続三振を奪って無失点で切り抜けると、ベンチに戻りながら、大きくガッツポーズをしてほえた。
 新チームが始まったばかりの昨年9月、学校のある牧之原市を国内最大級の竜巻が襲った。山本投手の家に被害はなかったが、自宅の扉や窓が壊れた仲間もいるなど、地域へのダメージは甚大だった。
 「力になりたい」。建築業の父を手伝う形で、はがれた屋根に応急措置を施すなどの復旧作業に取り組んだ。野球部の仲間たちとも、9月下旬にがれきを取り除くボランティア活動にあたった。
 そのとき、被災した人たちから「野球部がんばれよ」と声をかけてもらった。「その声に応えたいと思った。地域の人たちに一つでも良い報告がしたかった」
 最後の夏、山本投手に与えられた役割は、先発の後を継いで最後まで抑えきること。この日の出番は4点を先行された六回から。九回まで無安打無失点に抑えて流れを引き寄せた。
 迎えた延長タイブレーク。2死満塁まで追い詰めたが、最後は押し出し四球で涙をのんだ。
 被災地に勝利を届けることは出来なかったが、試合後には「たくさんの人の支えでチーム力をあげることができた。今後の人生に生かしたい」と前を向いた。(滝沢貴大)